2026年10月の経過措置切替— 取引先への確認連絡テンプレート
公開: 2026年8月18日
2026年10月1日から、免税事業者等からの仕入れに係る仕入税額控除の割合は80%から70%に下がります。
この切替そのものは自社の会計処理の問題ですが、 免税事業者の取引先に対しては、今後の取引条件を確認しておく価値があります。
1. 誰に連絡するかの整理
まず自社の取引先のうち、インボイス未登録(免税事業者等)の相手を洗い出します。
経過措置の対象になるのはこの相手との取引のみで、 登録済みの取引先には今回の切替による影響はありません。
2. 連絡文面の考え方
「登録を検討してほしい」という一方的な要求ではなく、 「制度変更に伴う自社の経理処理上の確認」という位置づけで伝えると、 取引関係を損なわずに済みます。
- 2026年10月以降も現行の取引条件を継続する予定か
- インボイス発行事業者への登録を予定しているか(時期の目安があれば)
- 登録予定がない場合、取引条件(価格等)について改めて相談したい旨
3. 一方的な取引条件変更は避ける
免税事業者との取引条件を一方的に不利益変更すると、 独占禁止法・下請法上の問題になり得ることが公正取引委員会の通達等で示されています。
条件変更を検討する場合は、取引先と十分に協議したうえで進める必要があります。
4. ツール利用時の注意
インカク(incaku) では、免税事業者等(未登録)の取引先を洗い出し、 経過措置の影響額を試算する機能を提供しています。詳細はこちらを参照してください。
自動チェックツールは税務判断を代替しません。
取引条件の見直し・下請法等への抵触可否は、専門家に確認してください。
5. 想定シナリオ:免税事業者への確認メールを送るとき
2026年10月の切替前に、主要な免税事業者取引先へ登録予定を確認するメールを送る場面です。
一方的な要求ではなく、経理処理上の確認というトーンで伝えます。
切替の概要は2026年切替、長期計画は2031年ロードマップを参照してください。
6. よくある質問
Q. 連絡はいつ送るのがよいですか
切替の1〜2ヶ月前が目安です。早すぎると取引先も方針が定まっていないことがあります。
Q. 登録を強要してよいですか
公正取引委員会の通達等を踏まえ、一方的な不利益変更は避け、協議ベースで進めます。
Q. 登録予定がない場合は
経過措置の影響を踏まえ、取引条件について協議する段階に入ります。専門家への確認を検討してください。
Q. 文面テンプレートは社内で共有すべきですか
はい。担当者によるトーンのばらつきを防ぎ、記録としても残します。
7. まとめ
- 免税事業者のみが連絡対象
- 協議ベースのトーンで伝える
- 一方的な条件変更は避ける
- 回答を記録に残す
- 切替時期を明記する
20. 実務チェックの補足ポイント
月末処理では、確認結果を「PASS・要確認・不備」の3区分で記録しておくと、翌月以降の手戻りが減ります。
特に取引先名称の表記ゆれや税率区分の読み取りづらさは、同じ取引先で繰り返し発生しやすいため、初回確認時にメモを残しておくと効率的です。
手順の全体像は受取請求書チェックの手順、記載要件は記載要件チェックリストを参照してください。
免税事業者との取引が多い場合は経過措置の切替もあわせて確認しておくと、控除割合の変化に備えやすくなります。
自動チェックツールを導入する場合も、WARN(要確認)の案件だけ人が目視する二段構えにすると、品質と効率のバランスが取りやすくなります。
新人担当者向けには、サンプルPDFと正解例・要確認例をセットにした研修資料を用意しておくことをおすすめします。
21. よくある質問
Q. 確認記録はどのくらいの期間保管しますか
仕入税額控除に関する帳簿・証憑は原則7年の保存が目安です。
保存期間の記事も参照してください。
Q. 取引先に修正を依頼する文面はありますか
経過措置切替時の連絡文面はテンプレート記事が参考になります。
記載不備の修正依頼も同様に、丁寧かつ具体的な指摘内容を伝えると対応が早まります。
Q. 簡易課税でも同じ確認が必要ですか
納税額計算への影響は異なりますが、会計処理の正確性の観点では確認に意味があります。
簡易課税との違いを参照してください。
補足:社内運用に落とし込むときのチェックリスト
制度の理解だけでなく、誰がいつ何を確認するかを社内文書に落とし込むことが実務の安定につながります。
月末の請求書処理では、登録番号の公表照合・記載要件の確認・保存要件の充足の3つを分けてチェックリスト化し、担当者の引き継ぎ時にも迷わないようにしておきましょう。
関連記事としてチェック手順、記載要件、保存期間を参照し、自社の規模に合った頻度(毎月・四半期)で見直してください。
免税事業者との取引が多い場合は経過措置と長期ロードマップもあわせて社内共有しておくと、取引条件の協議がスムーズになります。
運用メモの残し方
確認日時・確認者・結果(PASS/WARN/FAIL)・取引先への連絡有無を1行で記録する形式にすると、後からの税務調査や内部監査の説明に使えます。
ツールを使う場合は履歴機能を活用し、手作業の場合はスプレッドシートで一覧管理する方法が一般的です。
5. 連絡文面のカスタマイズポイント
5-1. 取引先ごとの関係性
長年の取引先には切替の背景を丁寧に説明し、 新規取引先には契約前に登録番号の有無を確認する文面に切り替えます。
5-2. 価格交渉のタイミング
控除割合が下がる時期の数ヶ月前に連絡すると、 双方が価格・支払条件を調整する余地が残ります。
長期スケジュールはロードマップ記事を社内共有してください。
6. 返信がない取引先へのフォロー
1週間後に再送し、それでも無回答の場合は控除割合の低下を前提に社内試算へ反映する、 といった段階的フローを決めておきます。
7. まとめ
- 切替数ヶ月前に丁寧な説明付きで連絡する
- 取引先ごとに文面のトーンを調整する
- 無回答時のフォロー段階を事前に決める
- ロードマップを社内で共有する
補足
連絡文面は法務・経理の両方でレビューし、取引関係を損なわないトーンを維持しながら、登録申請のメリットを平易に説明してください。
返信テンプレートも用意すると問い合わせ対応が均一になります。
連絡後の返信期限を明記し、期限経過後は購買部門と価格交渉の優先順位を再設定します。
無回答取引先は試算表で影響額を可視化し、経営判断の材料にしてください。
連絡文面の送付記録(日時・担当・返信状況)をスプレッドシートで共有し、部門間の情報漏れを防ぎます。
本記事の手順は社内マニュアルに転記し、担当者交代時の研修資料としても活用してください。
運用を変えた場合は、変更日と変更理由を1行メモして履歴として残します。
関連する社内規程・マニュアルと本記事のリンクを相互に設置し、担当者が迷わず参照できる導線を整えてください。
年1回は記事内容と実務のズレがないか見直し、必要に応じて社内手順を更新します。
実務の変更点は担当者間で短く共有し、次回の確認作業に反映してください。
手順を更新した月は、更新内容をチームチャットや社内掲示で周知し、旧手順での処理が残らないよう注意してください。
不明点は記録に残し、税理士確認後に手順へ反映してください。
送付リストは毎月必ず更新し、担当者名も記録してください。
注意
本記事は国税庁の公表資料等に基づく一般的な情報の整理であり、税務・法的助言ではありません。
個別の判断は税理士等の専門家にご確認ください。
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